ツール・ド・おきなわ物語 2012  ~前篇~

400人とともに107km先にある名護を目指す旅が始まった。

スタートの合図の後、ゆっくりと波が押し寄せるように400台目も動き出す。

と、同時にファーストステージクリアに向けて一人レースモードに突入する。

とにかく前へ。

わずかなチャンスも逃さないように右端をワープしていく。

LEGONジャージも見つけたが、一声だけかけて先に進む。

前へ出ることだけに集中していたので、どれくらい進んだのかわからないが、ふと人垣が切れて前方が開けた。

あ、先頭だ。

よかった。無事スタートラインに立てた。

 

 

前に出てると「ナイス、Jさん」と声がかかった。

そう、今回は一人じゃない。チームメイトの牛乳さん(仮名)がいる。

彼がいるおかげで他の人をマークする必要がない。彼が先頭集団のペースであり、スピードの基準と考えればいいのだから。

私にとって大きなプラス要因である。

最初の試練を無事に終え、彼と並走したまま次なる平坦ステージに向かって下っていく。

 

西海岸の高速区間もこの人数なら大丈夫だろう、と思っていたが、予想以上にデンジャラスな工事区間がぞくぞく出現。

左右への迂回や唐突なアップダウン、クレーチングや鉄板、さらにはダートもどきなどシクロクロスばりのルート。

まあ、これはこれで面白いのだが...やっぱ前に出ておいてよかった。

集団では走りにくい区間も前で走れば逆に地の利となる。

先頭付近のみんなは無理せず安全に走ってくれてるので、普久川の上りまで流れに身を任せて進んだ。

 

さて、クライマーにはなれない私の鬼門ステージ、普久川の上りだ。ここから6kmほど続く。

登坂早々に工事区間があるのは配られた資料で知っていたので、影響しない位置で走り抜ける。

そしてここからは登坂テストが始まる。

力のあるメンツが先頭付近に陣取る。当然牛乳さんもいる。

こっちはそれを見ながらマイペースを越えないパワーでどこまでいけるか様子をうかがいつつ上る。

山頂が近づくにつれ、数名が交互にペースアップし、揺さ振りをかけるような動きがあったが、本気アタックはないまま程なくしてマウンテンポイントを迎えた。

2年前はかなりヤバいとこまで追い込まれたので身構えて挑んだが、今回は割と短く感じた。

コースを知っている余裕もあるが、やはり今日は調子がいいのだろう。

余裕を持てた分、マメに補給することを思い出しMeitanジェルを口にする。

 

下りは特に勝負をかける人もいなく、むしろゆっくりと進む。

なぜこんなに?と思うほどスローだったが、その間に普久川の上りの消耗をリセットすることに専念し、このあとも続くアップダウンに備えることとした。

前半はとにかく脚を攣らないようにすることと回復することだけに意識を集中したかった。

 

高江の上りが始まると、ここでも数名が集団を疲れさせたいという意図が感じられる走りで牽引する。

その後ろで、俺の許容範囲内でペースアップしてね、と一人お祈りする。

さらにここから少し飛び出した人やアタック気味に上げる人など各々の展開に持ち込みたいという動きがみえる。

なかには全く余裕そうだけど敢えて集団に埋もれている人もいる。

きっと彼は勝負どころが違うのだろう。

淡々と進むようにみえる集団でも、みんなの脚質に合わせた戦略が見え隠れしている。

 

その後も削り合いのようなアップダウンが続くが、功を奏してまだまだ脚は元気だ。

それなのに・・・抑えて走ることばかり考えていたせいか、上るたびにもう休みたいな。。なんて気分が湧いてくる。

実はこのあたりが精神的に一番きつかった。

このタイミングで激しいアタックがかかれば追えなかったかもしれない。

ここはおきなわやで。と自分に言い聞かせ、もう一度集中しなおす。

幸いにも粛々と進み、やがて下り基調になったところで気分も持ち直すことができた。

 

下りきって東海岸に出ると60km付近に最初のスプリングポイント(SP)がある。

今日のレースも最後はスプリント勝負になるだろう。

そう予想していたので、SPではスプリンターの脚を見極めることがポイント一つにあった。

下りの勢いを活かして前に出たあと、スプリントの準備をして誰か上がってくるのを待つ。

が、来ない。最後に少し踏んだだけでスプリントポイントを通過してしまった。

こんな展開なのに誰も取りに来ないのか。。

 

SP通過後、牛乳さんと二人で抜け出す形になり、このまま行くか? と3秒ほど考えたがここは自重。

牛乳さんはマジで行きたかったかもしれないが、ここは集団を待った。

私の勝負はこの先にある。

 

つづく

 

 

★2012/12/8追記
【レースレポート】
●レースレポの前に・・・
http://ameblo.jp/nasuj/entry-11414539036.html
●ツール・ド・おきなわ物語 2012  ~序章~
http://ameblo.jp/nasuj/entry-11415287334.html
●ツール・ド・おきなわ物語 2012  ~前篇~
http://ameblo.jp/nasuj/entry-11416080074.html
●ツール・ド・おきなわ物語 2012  ~後篇~
http://ameblo.jp/nasuj/entry-11416471333.html
●お礼
http://ameblo.jp/nasuj/entry-11419957895.html
【番外編】
●おきなわ市民100km コースレイアウト
http://ameblo.jp/nasuj/entry-11411348002.html

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NasuJ(通称=ナス爺)は40代から本格的にロードレースをはじめた遅咲きホビーレーサー。 オヤジのたちの星になるべく、日々特訓中。 「40代からでも自転車ははじめられる」をモットーに自転車の普及活動を兼ねて活動しています。 まだまだ発展途上のオヤジレーサーの応援をよろしくお願いします!

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